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大阪高等裁判所 昭和29年(ウ)443号 決定 1954年11月05日

申請人 宮林光蔵

被申請人 大映株式会社

主文

被申請人が昭和二十五年九月二十五日付申請人に対してなした解雇の意思表示は仮にその効力を停止する。

(注、無保証)

(裁判官 田中正雄 神戸敬太郎 平峯隆)

【参考資料】

仮処分命令申請

申請人 宮林光蔵

被申請人 大映株式会社

身分保全仮処分事件

申請の趣旨

被申請人が昭和二十五年九月二十五日付申請人に対してなした解雇の意思表示はその効力を停止するとの裁判を求める

申請の理由

一、被申請人(略称会社)は映画の製作及び配給を業とする株式会社であつて本社を東京にもち各地に四支社二撮影所がある申請人はその事業所の一つである京都市右京区太秦多藪町所在の京都撮影所の従業員である

一、会社は申請人に対し昭和二十五年九月二十五日付を以て突如解雇の意思表示を為したが本件に就ては既に京都地方裁判所第三民事部に於て昭和二十六年(ワ)第八七三号解雇無効確認事件として審理され昭和二十九年九月四日会社が申請人に対してなした解雇の意思表示は無効であることを確認する旨の判決言渡が行われて居る

一、申請人は所謂事を構えるを避けて幾度かの飢餓線上に堪えて本訴第一審判決を待ちその結果に対する会社の良識に期するものがあつたが会社は控訴を行つた為その結果を待つていては既にして住居を失ひ冬季を迎えて一枚の夜具も一枚の防寒用衣も持たず併せて負債に苦しむ危険なる生活状態にありその不安焦躁等の精神的損害も加わつて全く刻一刻生命の脅威を感ずるに到つた故に本申請に及ぶ次第である

右の通り仮処分申請する

昭和二十九年十一月二日

右申請人 宮林光蔵

大阪高等裁判所御中

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